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2007年10月

永遠の0

最近報道されている沖縄教科書問題関連のニュース。
「集団自決が嘘というのなら、あなたはわたしのおじいおばあが嘘をいっているというのですか」と、沖縄での抗議集会で代表の高校生が言った言葉が頭から離れない。

以前読んだ本のせいだと思う。

その本を読んで思わず涙してしまった。
本のタイトルや帯のコメントから普通の戦争小説と思っていたら、読み進めるうちに全く違うジャンルであることに気づく。一方的に戦争体験談を綴るのではなく、今を生きるぼくたちの心に直接働きかけるストーリー展開はすばらしい。抗議集会での高校生の言葉が、この小説とダブったのだ。

たった60年前の出来事についてさえも、歴史の教科書では伝えられない事がたくさんあるのだということを知り、歴史を記すということは客観的な事実関係を列記する事よりも、当時の人々が、何を感じ、何を願って毎日を生きていたのか、そして当時を生きた人の数だけ真実があるのだということをもっと語ってもらい、どんな形ででも残していく必要があるのだと感じた。

「永遠の0(ゼロ)」は、最後のどんでん返しに驚かされつつも、見事なラストでした。是非、多くの方に読んでいただきたいと思う小説です。


永遠の0 (ゼロ)
太田出版
百田 尚樹

ユーザレビュー:
読み応えあり。でもエ ...
感動の名作子どもの頃 ...
終わり今まで読んでき ...
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土塀



写真は名古屋の老舗料亭河文の土塀です。現在隣接する敷地にシーンデザインの設計でTHE KAWABUN(結婚式場)を建設中です。
写真は料亭河文の西側の駐車場に面した土塀。腰の部分がタイル貼りなのがポイントです。腰の部分に下見板や石貼りの土塀はよく見かけるけど、この土塀の腰のようにボーダータイル貼りだとなんともおしゃれ。河文は400年の歴史を持つ老舗だが、建物は大戦で焼失したために戦後に建てられたもの。伝統を重んじる老舗料亭の精神と次の時代への期待感が表れているいい部分だと感じました。


出勤前のミーティング

最近、仕事で名古屋に行く機会が多いのだけれど、名古屋には興味深い独特の文化がたくさんある。その中でも、特に不思議なのは、ほとんどの人が出勤前に毎朝喫茶店でモーニングを食べるという習慣だ。(ちなみにモーニングというのは、朝の時間帯にドリンクの値段でサラダやトースト、ゆで卵等がついたお得なセットメニューのこと。)長野出身の自分にとっては、毎朝どこの喫茶店もほぼ満席なのが驚きなのである。

なぜ名古屋人は、自分の家で朝食を食べないのか?
当然、お母さんはお父さんの分の朝ごはんを作らないだろうし、家族そろって朝食をとることもないだろう。お父さんの毎朝のモーニング代は、おこづかいに含まれるのだろうか?毎朝400円としても5日×4週で一か月8,000円はかかる。

そんな事どうでもいいのだけれど、結構気になる。だから自分も名古屋に行く度にできるだけ喫茶店でモーニングを頼み、名古屋人の気持ちを理解しようと試みている。
先日、いつものように喫茶店のカウンターでモーニングを頼み朝刊を読んでいると、後ろのテーブル席に座っていた若いサラリーマンとその上司風の客の会話が耳に入ってきた。どうも若い方が社内の人間関係について上司に相談しているらしい。

それまでは気付かなかったが、そんな会話に聞き耳を立てていたら、他のテーブルの客の会話も耳に入ってきた。職場での噂話や上司への相談、歓送迎会の打合せやら人事の不満、取引先への愚痴、または仕事について熱く語っている人もいた。

そうなのだ、名古屋人は毎朝出勤前にミーティングをしているのである。カッコ良く言えばオフサイトミーティング(気楽にまじめな話をする)を毎朝行っているのである。これは発見だ。名古屋人の元気の良さはここからはじまるのではないかと感じた。毎朝職場の仲間と気楽な真面目な話ができる。それは閉塞感を打ち破り、日本的なチームワークを構築する基盤となっているのではないか。

そう考えると、職場でお父さんが一人で悩みを抱え込みノイローゼや鬱病になって体を壊すよりは、毎朝喫茶店でミーティングをして、生き生きと元気に働いてくれればモーニング代なんて安いものなのかも。

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