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2009年04月

ツリーハウスプロジェクト spin off(番外編)

信濃町にある木に施工する前に、ツリーハウス実物をTOiGOに展示する具体的な作業が始まりました。
掘っ立て小屋といえども、限られた時間で市街地に建つ商業ビルの中につくるのは結構大変。
それでも、作業に駆けつけてくれた仲間総勢13人で見事にほぼ完成にまで至りました。
みなさん御苦労さまでした。

作業の様子を、参加してくださったmanzの太田さんがうまくまとめてくれたので、こちらの方もぜひご覧ください。
manz day_book


写真:manz 太田伸幸



ツリーハウス製作その3

気持のよい日曜の朝。
今日は再来週に控えたTOiGOのツリーハウス実物展示に向けて、
展示用の仮組立て予定。
いざ、ツチクラ住建の作業場へ。。。



うっ!誰もいない。。。
桜の季節のお天気の日曜日。
そりゃツリーハウスじゃなくてフツウ花見だよな。
ま、そんな自由でゆるいところがこの集まりのいいところだから
しかたあるまい。
作業場に射し込む朝陽がマブシイ。

とりあえず、展示用に用意した丸太を中心に梁(根太)を放射状に並べてみる作業に取り掛かる。
そうこうしているうちに、羽鳥さんと高遠さんが登場。
組立は最低3人の手が必要なのでひとまず安心。



それにしても、これだけで圧倒的な存在感です。
通る車はみんな速度を緩めて覗き込んでいきます。

次は、床板の下地になる根太を敷いてゆきます。
展示用なので、搬入組立が容易な部材の形を試行錯誤。
羽鳥さんのアイデアできれいな幾何学模様ができました。



床板張りについても羽鳥さんの斬新なひらめきで、中心から渦巻き状に番付しながら張っていくことに。
羽鳥さん大活躍です。



パネル化した壁を立ち上げればほぼ出来上がり。



早速、最初のゲストをお招きして一休み。
ここまでで作業時間は約4時間半。
人数が揃えば次回の組み立てはかなり時間短縮できそう。



あとは展示用にもう少し肉付けして、いよいよTOiGOへ!





パティーナ



一般的に建築(ほとんどの商品)は新品の時が一番その価値が高い。
使い始めることによってその価値はどんどん漸減していく。
特に中古住宅の価格査定はその築年数によって、非常に大雑把に行われているのが実情だ。
例えば築10年で半値、25年でゼロといったような。。。

しかし、もともと建築物は、安全・安心はもちろん、長い歴史と風土に培われた伝統や文化、デザインや芸術性が求められ、品質が高ければ100年以上に渡って使い続けることができるものである。“古くなる”と言ってしまったらそれまでだが、古くなるという事自体に新しい価値を見いだすことはできないだろうか。

デザインの世界では“PATINA”(パティーナ)という言葉がある。
「経年変化による味わい」と訳されるこの言葉は、完成品から時間を経ることで獲得するデザインのことだ。

汚れる、酸化する、色褪せる、縮む、伸びる、ねじれる、日に焼けるといった退行現象がデザインとして素敵だと感じること。最近の経済や社会が直面している問題をある意味表しているのかもしれないが、わび、さびに代表される日本人の美意識には案外受け入れられやすい感覚だとも思う。

ただし、パティーナは単に“古い”ということではない。

写真は現在シーンデザインで、住宅の床材として検討中のフローリング。新品のナラフローリングであるが、塗装にこだわり、まるで長年丁寧に磨き込まれ、大事にされてきた床板のような深みのある艶を出すことで、新築の時から既に長い時間の経過を感じさせるデザインを目指している。わざと傷をつけたり、汚してユーズド感を出すような特殊塗装ではない、まさにパティーナを模索中だ。

少しずつではあるが、パティーナという感性(実は本来日本人が持つ美意識)をユーザーと共有していくことができれば、きっと建築の価値とともに大事にされ、その寿命を長くすることできるのではないか。そんな“古美る”(ふるびる)ものをつくっていきたいと思う。


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